ガラスの歴史

紀元前2000年には発達

ガラスは、紀元前4000年よりも前のメソポタミアやエジプトで、すでに使われていたといわれています。紀元前2000年頃には、加工する技術も発達。紀元前1550年には、ガラスの器もつくられたという記録があります。その後、ローマ時代に宙吹きと呼ばれる製造法が発明され、大量に食器や保存器として使われるようになるのです。この当時のものをローマンガラスといいます。

そして良質の材料を集めたヴエネツイアが12世紀頃からー大生産地となり、15世紀には酸化鉛と酸化マンガンを添加することで屈折率の高いクリスタルガラスが発明されました。一般庶民に日用品として普及するのは17世紀後半、イギリスで産業革命が起こり、大量に生産されてからのことでした。

クリスタルガラスが普及するのは19世紀から。それ以前は、クリスタルガラスは王侯貴族のもので、ヴエネチアグラスより透明度が高く丈夫なボヘミアグラスは、18世紀に黄金期を迎えました。その後、19世紀後半からアール・ヌーヴオーやアール·デコの時代を迎え、ガレやラリツクといった作家が活躍するのです。大面積の板ガラスがつくられるようになったのは20世紀に入ってからのことです。